薬剤師の就職先として人気が高いのは薬局ですが、医療貢献に重きを置いている人には適しません。医療貢献に興味がある人には企業やCRA、CRC、公務員薬剤師がおすすめです。どの就職先を選ぶべきかは、薬剤師としてどうありたいかによるので、患者とのかかわり方や、臨床か非臨床かなど、自分の希望と職場の特徴を照らし合わせて検討しましょう。
薬剤師が選ぶべき就職先の特徴
薬剤師として働ける職場は、病院や薬局に限らず、研究機関や企業など多様です。2018年に厚生労働省が行なった調査から、薬剤師として人気の勤務先を見てみると、薬局が最も多く58.0%と全体の6割程度を占めています。次いで病院が17.4%、医薬品関係企業が13.3%、衛生行政機関が2.1%です。※上記の数字から、薬局で勤務する薬剤師の多さがわかるでしょう。
とはいえ、一概に薬局といっても職場の環境はさまざまであり、同じ調剤薬局でも大手のチェーン薬局や個人薬局とでは研修の充実度や地域とのかかわり方などが異なります。また、ドラッグストアに併設されている薬局に就職する場合は、OTC医薬品の販売や指導がおもな業務になったり、土日も出勤する必要があったりするでしょう。
薬剤師として就職先を選ぶ際は、まず臨床か非臨床のどちらがよいのか考えなくてはなりません。患者さん一人ひとりと向き合いたい場合は薬局や病院、ドラッグストアなどが適しており、医療貢献したい場合は企業やCRA、CRC、公務員薬剤師などが適しています。
さらに、就職先の待遇もチェックすべきポイントであり、勤務地や転勤の有無、産休・育休制度の詳細など、給与含め自分の希望から離れていないか確かめるのが大切です。
※参考:厚生労働省
薬剤師として働く就職先の選び方
薬剤師の特徴の一つに、勤務時間が長くなりがちなところがあり、とりわけ病院勤務の薬剤師は緊急搬送などの予測不能な事態が発生し、残業になるケースがあります。病院勤務に限ったことではありませんが、人手不足の職場は残業が状態化しやすいため要注意です。
とはいえ、病院を就職先に選ぶと、臨床に携われるため薬剤師としての専門知識を活かせます。やりがいが大きいのが病院勤務の特徴の一つで、実践経験を積みながら最新の薬学知識を身に付けられるので、スキルアップしたい方には成長できる環境です。
一方で、薬剤師の就職先として人気の調剤薬局は、全国に店舗数が豊富にあるため働き口が見つけやすい点や、比較的残業が少ないところがメリット。
しかし、職場によっては休みが取りにくかったり、スキルアップが難しかったりする側面もあります。ドラッグストアも給与が高めですが休みが不定期であったり、調剤業務以外も生じたりする側面があります。
なお、薬剤師は勉強し続けなくてはならない職業です。医療分野の技術や治療法はアップデートされていくため、薬剤師も知識を更新する必要があります。キャリアアップを志す場合、新たに資格を取得する必要も出てくるかもしれません。
薬剤師はやりがいのある仕事ですが、職場によって特色が異なるため、理想のキャリアに沿った活躍ができる職場を選ぶことが大切です。
まとめ
薬剤師の就職先は薬局や病院、ドラッグストア、医薬品関係企業などさまざまですが、それぞれ特徴があります。どの職場が適しているかは、理想とするキャリアや働き方によって変わってくるので、職場ごとの魅力や注意点をきちんと把握しておくことが大切です。
就職してから後悔することがないように、事前に仕事内容や待遇をよくチェックしておきましょう。